「ねえ、何があったのよ! 留美子!! 起きてよ!」
身体を揺すりながら、耳元で叫んだ私の声で、弾かれるようにまぶたが開いたのだ。
「な、何よいったい!? うるさいっての!」
よかった……ショックを受けて気絶してただけだったのかな。
でも……何だろう。
留美子の表情がさっきまでと違う気がする。
少し大人びたと言うか、覚悟のようなものを感じると言うか。
キッと眉間にシワを寄せて、目に力があるように思えるよ。
「何じゃないよ! 武司も留美子も急に倒れてさ! 全然起きないんだから!」
本当はすぐに起きたけど、何だか今の留美子は怖い感じがして……思わず大袈裟に言ってしまった。
そんな私を見て、不思議そうに目を大きく開いた留美子。
「なんで明日香さんがここに……そうだ! 龍平は!? 『呪い』は……」
「な、なんで『さん』づけなの? 倒れた時に頭でも打った?」
私の事を明日香さんだなんて……一度もそんな呼び方をした事がないのに、本当に大丈夫だろうか。
それに……。