結子も、武司の手をギュッと握りしめ、不安そうに寄り添っている。


これは私達にしか見えない。


美雪がついにやったんだ。


このまま世界が壊れてしまうならそれでいい。


私が願うのは、「呪い」なんてないきれいな世界。


「カラダ探し」に翻弄されない、幸せな世界だ。


だけど……本当にそんな世界になるのか、崩れ落ちている世界のかけらを見ると不安になって来る。


音もなく、どこに消えるともわからず落ちていく世界のかけら。


それを見ている私に、耳鳴りのような声が聞こえた。









「お姉ちゃん助けて……」











その声は……美紀!?


慌てて階段の方を振り返った私は、その姿を見た。









白い光の筋のようなものが私の身体を貫いて、後方へと通り過ぎていったのだ。









次の瞬間、結子の悲鳴に近い声が辺りに響く。


「武司! えっ! 留美子!? 何なの!? ちょっと! 大丈夫!?」


何が起こったのか……世界の崩壊に呼応するかのようにその場に倒れ込んだふたり。


そんな事などお構いなしに、世界はその姿を変えていった。












支えを失ったかのように崩壊は加速して……私達の世界は、完全に崩壊した。