「えっとさ……また私、『カラダ探し』させられてるんだ」
そう答えると、高広と留美子の足がピタリと止まった。
「嘘でしょ? だって、まだ美雪は……」
眉間にシワをよせて、留美子が信じられないといった表情を浮かべる。
ああ、そうだ。
言ったら言ったで、どうして美雪が目覚めてないのに「カラダ探し」が始まったのかという説明をしなきゃならないんだった。
何だか……これも面倒だよ。
ふたりに「昨日」の事を説明しながら、何とか学校までたどり着く事ができた。
歩くのが少し遅かったのか、生徒玄関に入ると同時に幸恵が現れて。
「ねえ明日香、私のカラダを探して」
と、そう呟いて、生徒玄関から出ていったのだ。
「マジだな……明日香と遥の他は、誰が頼まれたんだよ」
なるべくそこには触れないようにしたんだよね。
武司があんな調子じゃあ、高広に言ったら怒鳴り込みに行きそうな気がするから。
でも、私が言わなくても、遥が言ってしまうんだろうな。
「私と遥の他は、日菜子と中島君と小川君と……」
「もう、誰よ? もったいぶってないで、早く言いなさいよ。ここまで来て、だんまりなんてないよ?」