教室の中を見回してみても、そこはいつもと変わらない空間。


友達と雑談していたり、週刊誌を読んでいたり。


日菜子も中島君も、「カラダ探し」の事など何も覚えていなくて、以前と変わらない様子で。


ヒビ割れた世界の中で、皆普通に過ごしている。


遥が言っていた事が気になるよ。


もしもこの世界が誰かの想いの世界だとしてさ、それが壊れたとしたら、この世界に住んでいる人はどうなるんだろう。


世界が壊れた事も気づかずに、テレビの電源を切ったみたいにブツッと途切れちゃうのかな。


……考えてたってわからない。


まだその時を迎えた事がないのだから。


「カラダ探し」に巻き込まれなければ、こんな風に考える事もなかったんだろうな。


次の授業が終わればいよいよ放課後。


大職員室から先生達がいなくなったら、美雪の出番だ。