私と美雪は、まだ昼休みのうちに旧校舎へと向かい、八代先生に話をして、大職員室を開けてもらえるように話をつける事ができた。


これで、美雪の方は準備が整ったという事になる。


それなのに私は……まだ、黒くて怖い人をどうすればいいのかわかっていない。


さっきの美雪みたいに、突然何かが閃く……なんて事はなさそうだし、できる事をするしかない。


屋上に戻った私達は、昼休みのチャイムが鳴っても教室に戻らずにそこにいた。


5限目は私が美雪と一緒にいる時間。


遥の事、翔太の事を話したけど、正直その内容はあまり覚えていない。


放課後が近づくにつれ、「呪い」の事が気になりだしたから。


美雪は強いな……まだ悩んでいる私とは大違いだ。


自分がやらなければならないという使命感があるのか、自信に満ちた目をしているよ。


私なんて、今までに一度だってそんなに自信が持てた事はない。


いつも迷って、悩んで答えを出して後悔してを繰り返している。


だから、そんな美雪が羨ましく思えた。


「ねえ明日香、私がいない間に『カラダ探し』させられたって本当?」


美雪のその言葉に、私の耳がピクッと動いた。


誰から聞いたんだろう……って、たぶん皆知ってるよね。