わかった? 何がわかったって……こんな時にわかったなんて言うんだから、あの事かな?
「わかったって……美子が言ってたって言う場所の事?」
小さくうなずいた美雪に、私は首を傾げた。
ブツブツと、すごく小さな声で何か言ってるけど、聞き取れないよ。
「それで、どこなの? その場所って」
私が尋ねると、美雪はスッと東棟の方を指差した。
「大職員室だよ」
どうしてそう思うのかはわからないけど、きっとその答えにたどり着く何かがあったんだろうな。
その場所がわかったなら、話は簡単じゃない。
皆がいなくなった放課後に、こっそりそこに……って。
「大職員室!?」
誰もいなくなった大職員室に入れるわけがないよ。
その事を話しながら、私達は屋上に戻った。
放課後の、誰もいなくなった大職員室。
テスト前の職員室に入るのも先生の許可がいるというのに、誰もいないなら入れるはずがない。
その事は皆わかっているようで、手段はひとつしか残されていなかった。
八代先生だ。