真実は、足元がおぼつかない老人の手を引いて歩いているのと、何も変わらない状況なのだから。


学校に到着すれば、幸恵に「カラダ探し」を頼まれる。


それまでに話すべきなのかな。


高広の腕にしがみつき、必死に歩いて数分。


「昨日」と同じように留美子と合流した。


「おほっ! 朝からどうしたの!? もしかして……やっぱり付き合う事にしたのかな?」


ニヤニヤとして、より添う私の頬をツンとつつく留美子。


予想通りの反応を示してくれてありがとう。


だけどそうじゃない。


「お前の目は死んでんのか!? そんな雰囲気じゃねぇだろ。どう見たって『必死に生きてます』って感じじゃねぇか」


私を指差して、高広が留美子に吠える。


「ああ……言われてみれば。どしたの? 顔が真っ青だけど。体調が悪いなら学校休めばいいのに」


皆で「カラダ探し」をやってた時は、毎朝違う事を話してたりしたけど……。


高広も留美子も今回は部外者だ。


毎朝こんな反応をされるかと思うと、面倒だな。


素直に「カラダ探し」の事、話した方がいいような気がしてきた。