「昔って樽みたいな物に入れて埋葬したんだよね? 何か、『カラダ探し』の時と同じような棺桶なんだけど……」


私が思ったのはそれ。


「まあ、美子はバラバラにされたから、寝かせる事ができる棺桶にしたんじゃないの? たぶんだけど」


そうかもしれないな。


遥の話を聞きながら、私は棺桶の上の土を横に除けていた。


思ったよりも浅い位置に埋葬されているんだな。


雨なんかで少しずつ山肌が削られたのかな。


目的の物を前にして、そんな事を考えながらスコップを動かした。


遥は見てるだけ……なんて事はさせない。


文句を言って、ふたりで交代で掘り進めて、棺桶の蓋が完全に陽の光にさらされたのは……続きを掘り始めて1時間経過した時だった。


お腹が空いていたのも忘れて、釘で留められた蓋を、スコップを使って外すのにさらに30分。


「腐っていないどころか、昨日入れられたような感じさえするわね。不気味だわ」


「うん……もしかすると、この中の美子も……」


そう考えながら、ふたりで棺桶の両端から蓋に手をかけた。


開かれる棺桶の蓋。