レースのフリフリがついた物が私的にはいいと思うんだけど、それだと完全に予算オーバー。
簡素な物しか買えそうにないよ。
「遥は……いくら持ってる?」
「あなたね、あんな生活をしてる私に金銭的余裕があると思ってるの?」
だよね……ひとり暮らしだし、どう見ても貧乏だから、頼れないよね。
となると……財布の中に入っている5千円でどうにかするしかないか。
「ちょっとランクが落ちるけど……仕方ないか」
税込み価格で4900円。
決して余裕があるわけじゃないけど、何とか赤い服を調達して、八代先生が教えてくれた山へ向かった。
「服は買えたみたいだけど……どうやって棺桶を掘り起こすつもり? 手で掘るなんて言わないでよ?」
……それを考えてなかった。
「何にも考えてないみたいね。旧校舎の階段の横の部屋にスコップがあったから、それを拝借しましょう」
遥が注意深く見ていてくれてよかったよ。
一度学校に戻ってから山へと向かう。
時間はかかるけど仕方ないよね。