「必要なら僕が案内してあげようか? 17時になったら自由になるけど、夜になっても平気かい?」
八代先生の申し出はうれしいんだけど、夜にお墓はちょっと……それも、「赤い人」のお墓となると、激しく危険な予感がしてならないから。
「どの辺りにお墓があるかを教えてくれればいいです。さすがに夜に行くのは……」
「そう……だよね。わかったよ。山をずっと登って行くと、ちょっとした広場に出るんだ。そこに、石碑のような岩がある。それが美子のお墓だよ」
現場を見た事がないから、その光景を上手く想像する事ができないけど、なんとなくわかった。
「先生ありがとう。上手くいったら、また報告しますね」
「え? ああ……何をするかわからないけど気をつけてね」
首を傾げる先生に手を振って、私達は旧校舎を後にした。
「それで? すぐに行くの? 掘り返すなら早い方がいいとは思うけど……」
新校舎の方に向かいながら、これからどうするかを話す私と遥。
「私もそうしたいんだけどね。子供用品のお店がまだ開いてないでしょ? 赤い服……入れてあげたいんだよね」
あの飾られてた服が可愛いと思ったけど、財布の中身を考えると厳しい。