先生が知らないとなると、手当たり次第に調べなきゃならなくなる。
残り二日しかない私達にとっては、見つけるのは限りなく不可能な事に思えるから。
「ああ、わかるよ。昔、和子さんとお墓の掃除に行った事があるからね」
「そんな事まで知ってるなんて……あなた何者なの? 余程の暇人なのかしら」
教えてくれた八代先生に対して毒を吐く遥。
それは失礼だよ、先生が暇人だったおかげで、今、私達が助かってるわけだから。
「ハハッ……確かに暇人かもね。当時は『赤い人』の恐怖を克服しようと必死になって調べていたから」
胸ポケットからメモ帳を取り出した八代先生は、何も書かれていないページを開いた。
「そんな暇な僕が行った場所は……ここが学校だろう? で、ここが小野山邸だ。そして、その山は……ここにある」
メモ帳にペンを走らせた八代先生が描いた簡単な地図。
山は、この学校からでも見える位置にあるものだった。
「もしかして、山の入口に鳥居がある所? 登った事はないけど、まさかそんな場所にお墓があるなんて……」
私にはピンと来ないけど、遥はわかったみたいだ。
八代先生も小さくうなずいて、遥の顔を見る。