11月26日。


動きだした世界で、時間の流れに乗り遅れないようにと、私は目を覚ました。


今回の「カラダ探し」も後味が悪くて、起きた時の気分はスッキリしない。


私達を、激しい思い込みで憎んでいた幸恵。


棺桶の中に自ら入った小川君。


そして……遥に殺された日菜子。


小川君が目覚めるまでに、美紀の「呪い」を解いてしまったらどうなるのだろう?


捕らえている美紀がいないんだから、「呪い」が解けた瞬間目覚めるのかな。


やってみないとわからないけど、何にしても小川君のカラダを探す事はないと思う。


「う……ん。『カラダ探し』が終わった後の朝ってこんな気分なのか……」


ベッドの上で身体を起こした私は、大きなあくびをして、初めて経験する朝の空気に浸っていた。


「カラダ探し」がどんな結末であれ、小川君以外は今日には生き返っている。


死んだ人は記憶が完全に消えて。


これだけが唯一の救いだよ。