私も遥も武司も、棺桶に入るわけにはいかない。
そう考えると、小川君しかいないのだけど。
この「カラダ探し」で、武司を守って、ぬいぐるみからカラダを取り出して、私と日菜子を「赤い人」から守ってくれた小川君。
できる事なら、一緒に「今日」を過ごしたかったよ。
「……そうだな。お前の『カラダ探し』までに、少しは痩せてろよ。でよ、俺に頼め。高広の野郎とゴミクズも巻き込んじまえよ。明日香、三神、お前らも手伝えよ」
美紀から小川君に視線を向けて、武司は少しだけ寂しそうな表情を浮かべた。
何だか武司らしい言い方だな。
美紀に拒絶されて死んでしまった幸恵は哀れだけど、同情はできないかな。
「皆、お願いできるかな? 僕は太ってるから、カラダが重いかもしれないけど」
ハハッと苦笑しながら頭をかく小川君。
最後の最後まで頑張ってくれた。
クラスの皆が言ってるような、キモいヲタクだなんてとんだ言いがかりだ。