「私は……憎まれてても覚えててほしかった! だって、日菜子が好きだもん! 本当の友達だって思えたから! でも……そんな日菜子が言ったんだから仕方ないじゃない!! 遥を恨みたくないから、忘れる事ができるなら、終わる前に殺してって!! 遥が覚えててくれたらいいって!」
その言葉を、日菜子はどんな思いで言ったのだろう。
日菜子も遥が好きだったと考えるべきなのかな。
それとも……遥の気持ちを利用して、復讐したのかな。
日菜子は死んでしまって、その理由はわからない。
だけど、私が許すとか許さないとか言える立場でないという事がわかって、つかんだ腕を放した。
「とりあえず、椅子に座ろう」
下手ななぐさめなんて言えなかった。
泣き続ける遥を長椅子に座らせて、生き残った皆の到着を待っていると……西棟の方から、大きなふたつの人影が姿を現した。
ピッタリと寄り添って、ヨロヨロと歩いてくるその姿は、間違いなく武司と小川君。
「おいコラ! 明日香テメェか!! 化け物とのバトルの邪魔をしやがって!! 約束が違うだろうが!!」



