だけど、万が一死んでしまったら、私がカラダを回収して棺桶に納める。


そうなった場合は、今日はもう死んでしまって、明日右胸を納めてもいい。


いや、そうするべきなのかもしれない。


私の声を聞きつけて、一階からふたりが上がってきた。


「明日香、カラダを見つけたって? これで最後なんだよね?」


「うん、右胸と左胸を納めたら、この『カラダ探し』は終わるよ」


日菜子の問いかけに答えながら、私達はホールに向かって移動を開始した。








「キャハハハハハハッ!!」








「赤い人」の笑い声が聞こえる……でも、こんなに人がいるんだから、誰かが捕まったとしても、死ぬまでにカラダを棺桶に納める事ができるはず。


生産棟に入り、西棟の方に向かって走る。


遥はもう、ホールにたどり着いたかな。


正面から笑いながら走ってくる「赤い人」にも構わずに、3人で走り続けた。


「来る、来るよ!? どうするの明日香!!」


「僕が何とかする!! だからふたりはカラダを持ってホールに行って!」


私が話すより速く、小川君がそう言って私達の前に出た。


何とかするったって、どうするつもり!?


私達がカラダを納める間、時間を稼いでくれるって事だよね!?