ダメだ、もう死ぬんだ……なんて、諦められないよ!
今日で「カラダ探し」が終わってしまうなら、死んじゃったらこの数日でやった事の意味がなくなってしまうよ!
「あ~かい ふ~くをくださいな~」
歌が唄われ始めた。
私は顔を上げ、何か引きはがせるような道具はないかと手を伸ばす。
ナイフ、ペンチ……取ろうと思えば、何だって取れそうな位置にいろんな道具がある。
私はペンチを取り、それを握りしめて「赤い人」の手に打ちつけた。
「し~ろい ふ~くもあかくする~」
だけど、「赤い人」はこんな事では離れてくれなかった。
元々が幽霊なのだから、痛みもなければ怪我をする事だってない。
武司が「赤い人」を怒らせるに至ったという事がどれだけすごい事か、改めて思い知った。
「まっかにまっかにそめあげて~」
腕をつかもうとしても、血でヌルヌルと滑り、引きはがす事ができない。
やっぱり、もうこのまま死んでしまうのかな。
それなら、今日終わらせないでほしいな。
わがままだけど、美子の「呪い」を解きたいから……。