武司に脅されて、更生した? はずだから、心配いらないよね。


もう残りひとつになったんだから、嫌でも丁寧に調べるだろう。


ここに来て、我を通す意味なんてないから。


一階に向かう日菜子と小川君を見送って、私は中島君を見た。


「……そんな目で見ないでくれるかな。俺だってバカじゃないから、今がどんな状況かって事くらいわかってるよ」


そんなつもりじゃなかったんだけど……今までさんざんわがままを通してきたから、その負い目があるんだろうな。


でも、頑張ってくれるならそれでいいよ。


一番南側にある実習室から調べ始めて、廊下の延長線上にある準備室。


そこに入ろうとした時、スピーカーからあの声が流れた。











『……が、工業棟二階……れました。皆さん、気をつけて……』














予期せぬ出来事……ではない。


校内放送の間隔なんてわからないのだから。