大丈夫……皆なら、今日中に終わらせる事ができる。








そう……信じたかった。


話し合った結果、武司が生産棟の三階を、遥が生産棟の一階を調べる事になり、残りは工業棟を。


「赤い人」に見つかって殺されそうな時、カラダを見つけて棺桶に納めた時は大声で知らせる。


武司が見つかってしまったら、「赤い人」の咆哮でわかるから、叫ばなくても問題はない。


「いいわね? 『赤い人』に見つからないように、慎重に行くのよ」


すでに西棟の二階、私が今日のはじめに調べた教室に移動して、いつでも廊下に飛び出す準備を整えていた。


「どうするの? 校内放送が流れてから行く? それとも今行っちゃう?」


最後の戦い……そんな雰囲気が漂っているこの状況にドキドキするよ。


運よく事が運べば、あと数十分もすればこの「カラダ探し」は終わるのだから。


「どこにいるかわからないから……少しこのまま待ちましょうか」


「チッ、待機かよ。んなもんパーッと行って、パーッと終わらせりゃいいんだよ」


武司らしい意見だな。


慎重とはほど遠い、適当な考え方。


でも、それが決して悪いとは言えないんだよね。