遥の言葉が刺さる……私のせいで、二度も同じ場所を調べなきゃならないんだと思うと、申し訳ないという気持ちで胸が張り裂けそうだ。
しばらくして、武司が東棟の方からやってきた。
その表情はいら立っているような、決して気分爽快……と言ったようなものではなくて、カラダが見つからなかったという事は聞かなくてもわかる。
「どうだ、お前らは見つけたのかよ?」
「明日香がひとつだけね。袴田君も見つけてなさそうだし……行くしかないみたいね、工業棟と生産棟に」
諦めたように話す遥の言葉が、私の胸をさらに締めつける。
あの時私がもっと気をつけていれば……もう少しでカラダを納める事ができて、この時点で「カラダ探し」は終わっていたのに。
「で? どこを調べるんだよ。さっさと終わらせちまおうぜ」
「じゃあ、調べる場所を言うわね。まず工業棟。ここは一階二階すべての教室を調べなきゃならないわ。生産棟は三階の東側と北側の並びの教室。一階は三階と逆の西側と、真ん中の廊下にあるふた部屋ね。誰がどこに行く?」
あの時は皆慣れていなかったとは言え、それだけ調べるのに一日では無理だった。
今はどうかな。
「赤い人」次第ではあるけど、操られている死体もないし、あの時とは違う。