私は中島君と一緒に教室を出て、生徒玄関へと向かった。
西棟二階の廊下、階段、生徒玄関前廊下と、慎重に移動してたどり着いた生徒玄関。
すでにそこには武司以外の全員が集まっていて、生徒玄関の下足箱や掃除用具入れを調べていた。
「皆、もう来てたんだ。カラダは……左胸は見つかった?」
一番近くにいた小川君にそう尋ねると、首を横に振って。
「なかったよ。あとは袴田君が見つけてくれるのを祈るしかないね。二階はどうだったの?」
左胸はなかったのか……図書室と大職員室。
何だかありそうな気がするから、それに賭けるしかないかな。
「二階は、幸恵の席で右胸を見つけたんだ。まだ動かしてないから、左胸を先に見つけないとね」
平静を装って見せるけど、内心は不安でたまらない。
前に「カラダ探し」をやった時には感じなかったのに。
こんな気持ちは、高校の合格発表以来かもしれないな。
大丈夫、武司がきっと見つけてくれると信じながらも、なかったらどうしようと思ってしまう。
「ダメね、生徒玄関にはカラダはないわ。いよいよ工業棟を調べ直さなきゃならない時が来たかしらね」