それを考えつつ、西棟に向かった私達。
いつもと空気が違うように思える。
いつ終わるとも知れない「カラダ探し」をするのとは違う。
もう終わらせる事ができるかもしれないという思いが、そう感じさせているのかもしれないな。
西棟の階段でふたりと別れて、私は二階へと向かう。
初日に、遥と日菜子と私の3人で工業棟に向かったな。
そんな「カラダ探し」も今日で、遅くとも明日には終わると思う。
そんな希望を胸に、到着した西棟の二階。
生産棟側にある部屋に入って、私はさっそくそこを調べ始めた。
「残ってるのは胸だよね。じゃあ、机の中には入らないな」
調べる場所が限られているというのは助かるな。
携帯電話の照明で、机の上と下を確認して、カラダがないと判断した私は、教卓へと向かった。
まあ、調べるというほどの場所ではないんだけど。
教卓を調べ、教室の後ろにあるロッカーに向かった所で、スピーカーから雑音が聞こえた。
ザザッ……。
「赤い人が……に現れ……皆さん……気をつけてください」