これはそんな事では終わりそうにない。









終わりそうにないけど……始まりそうにもない。


この後、どうすればいいかわからないといった様子で、私の脇腹をジッと見つめて、高広は固まっていた。


こういう部分は何も変わっていない。


もしも武司みたいにガツガツ来るタイプだったら、好きになんてなっていないよ。


あのふたりは今頃……なんて考えると、変な気分になってくる。


高広に触られているからか、呼吸も荒くなって。


今、強引に来られたら、とてもじゃないけど拒否できる自信はないよ。








そう考えていた時、高広が動いた。








かがんで私の脇腹を見ていた顔を私の顔の方に向けて、ゆっくりと近づいてきたのだ。


その眼差しに、ドキッとしてしまったけど、逃げる事はできない。


できる事と言えば、少しでも「その時」を遠ざけるために、ベッドに寝転ぶ事だけ。


この行動が正しかったのか間違っていたのかはわからない。


ベッドに横になる私の上に、覆い被さってきて……。









緊張で焦点が定まっていない高広の顔がさらに近づいてきたのだ。