鈍感にもほどがあるよ。


怪我をしているとはいえ、女の子の身体を触っていて何も思わないの?









でも、その指の動きが途中で変わった。








息を吸った時に少しブラウスを上げてから。


高広はどうしていいかわからない様子で、ピタリと動きを止めている。







「そ、そこまで上げなくてもいい。み、見えてるぞ、その……あれが」







恥ずかしそうにそう呟いた高広。


あれって……ブラジャー?


仕方ないじゃない、打った場所がその少し下くらいなんだからさ。


「だから私は恥ずかしいって言ったのに……高広が見せろって言うから」


「そ、そんな意味じゃなかったんだけど……」


弁解しようとするけど、手を離す様子はない。








それどころか、指先が触れていただけなのに、手のひらもピタリとつけて、息を飲んだのがわかる。







しばらくの沈黙。







高広に慌てた様子はなくて、私は動けない。


こんな雰囲気になった事はなくて、どうしていいかわからないよ。


前に、私の部屋で唇が触れた時には高広が謝って、それで終わったけど……。