いや、いくらなんでもそれは……。
「そ、それは……恥ずかしいよ」
「別に恥ずかしい事じゃないだろ。俺なんか武司とケンカになったらしょっちゅう痛むんだからよ。気にしなくていいから見せてみろ」
そういう事じゃないんだけどな。
高広に恥じらいとかデリカシーというものを求めたのが間違いだったのか。
「もう……ちょっとだけだからね?」
「早く見せろよ」
こんな事を言っていても、何も思ってないんだろうな。
私は高広に言われるままにブレザーを脱ぎ、ブラウスのすそをスカートから出して、打ちつけた脇腹を高広に見せた。
「あー、ここか。やっぱり骨の所だな。どうだ? 痛むか?」
何のためらいもなく、痛む部分をなでる。
「い、痛いよ……高広、あんまり触らないで」
「んー、ちょっと赤いだけだからな。息するだけでも痛むだろ?」
「うん……」
何だか変な気分になってきた。
打った部分を見るだけだと思ってたのに、触るんだもん。
「何変な声出してんだよ。本当に痛いのか?」