そう言うと、高広は急にソワソワし始めて、歩く速度が速くなった。
「お、おう」
返事も少しうれしそう。
こんな高広を見るのは久し振りだな。
最近では照れているような姿をあまり見かけないから。
高広におぶられて到着した高広の家。
部屋まで連れていかれて、私はベッドに腰を下ろした。
「なんか、ここに来るのも久し振りだね。いつから来てなかったかな?」
「そりゃあ……小学6年か? たぶんそれくらいだと思うぜ」
あの頃とは違って、いろんな物が増えてるな。
散らかってるってほどではないけど、整頓されているわけでもないかな。
まあ、私も人の事は言えないんだけどね。
「それより、どこを打ったんだよ? 動けないってなかなかだぞ?」
「え? うん……ここなんだけど。息もできなかったし、今でも触ったら痛いよ」
左の脇腹をなでて見せると、心配そうな表情を浮かべた高広が、私のそばに近づいてきたのだ。
そして、自分の脇腹も触りながら天井を見上げた。
「ここか……ちょっと見せてみろ。骨は折れてねえと思うけど、肉離れかもしれねえからな」
見せてみろって……制服をめくれって事!?