「ゴメン……動けようになるまでちょっと休ませてよ」
本当に、これじゃあ何しに来たのかわからないよ。
もう幸恵は頼みに来たし、怪我だけして、武司と結子の邪魔をしているんだろうな。
「俺達は今からお楽しみなんだからよ。帰るのか、それとも一緒に楽しむか、どっちだ?」
……遠慮しておくよ。
帰りたいけど……脇腹が痛くて動けないんだけど。
「なぁにぃ!? 私だけじゃ満足できないって事ぉ?」
「そうじゃねえよ。いつまでも帰らねぇって事は、そう言う事だろ」
どういう事なのよ。
なんて考えていても仕方がない。
このまま動かなかったら、本当にお楽しみに参加させられかねないよ。
それでも、苦しそうにしている私を見て、武司も冗談を言っていてもダメだと思ったのだろう。
結子に何やら耳打ちをして、うなずいた結子が携帯電話を取り出して、カチカチと操作を始めたのだ。
何をしたとも言わずに、操作を終わると携帯電話を床に置いて、フウッと溜め息を吐いた。
それからふたりは何も言わず、武司は立ち上がってベッドに寝転ぶと、大きなあくびをひとつ。