『……んだよ。何か用かコラ』
寝ていたのか、何か別の事をしていたのか、不機嫌そうな武司の声。
だけど、一緒に「カラダ探し」をしている人の声を聞くと安心できる。
「用事ってほどじゃないんだけどさ、今何してるの?」
『用もねえのに電話してくるんじゃねえよ。高広とでも話してろ』
「あ、ちょっと! き、聞きたい事があるんだって!」
いきなり切られたら話にならない。
何がなんでも武司と話をしたいわけじゃないけど、話が途切れてしまうのは怖いから。
「武司の所にはもう、幸恵は頼みに来た? 私の所はまだなんだけど」
『武司ぃ。明日香が何の用なのぉ?』
結子の声が聞こえる。
ふたりでいたから、私が電話をしたら嫌がったんだね。
『何でもねえよ、すぐ切るから待ってろ。……幸恵だと?まだだな。じゃあ切るぞ』
「え、ええ!? あ、そうだ。結子がいるのなら私も今からそこに行くよ。別にいいでしょ? ひとりでいるのが怖いからさ」
『はぁ!? アホかテメェは! 何勝手な事言ってやがる!来るんじゃねえよ!』
だって、ひとりでいるのは心細いんだもん。