空が……赤い。


朝一でここに来て、まだお腹の中には朝ご飯が残っている感覚があるのに。


慌てて携帯電話を取り出して、時間を確認すると……もう17時を回っていて、奇妙な感覚に包まれた。


「何だよこれ……年取ると時間の進み方が早く感じるって親父は言ってたけどよ、ここまで早いか?」


「そんなわけないでしょ……どうなってるの明日香」


「私に聞かれても……あ、でも、高広達が来た時も、あっという間に時間が流れたらしいよ。この前来た時は……どうだったかな。こんなに長くいなかったからわからないけど」


それにしたって朝だったのがもう夕方だなんて。


他に何もできないまま、一日が終わってしまうよ。


「……この廃屋は時間の流れが違うのかもしれないわね。不思議に思わなかった? 階段は腐っていたのに、あの書斎はホコリが溜まっていたけど、妙に古さを感じなかった事を」


言われてみれば……難しい事はよくわからないけど、「カラダ探し」をしている私達には何だって起こり得るって考えれば、ありえなくもないかな。


気づかないうちに夕方になっていた空を見上げながら、私達は家に帰る事にした。


皆荷物は持ってきているし、学校には戻らなくてもいいから。


「美子が埋葬されている小さな山ってどこなんだろうね」