ほら、武司も言ってるじゃない。
さすがに、さかのぼっていけばどこかで血がつながっている……なんて言わないけど、似てるくらい認めてもいいのに。
もしかすると、母親の生まれ変わりだったりして……なんて事を言ったら、本気で怒りかねないな。
まだ母親はどこかで生きているかもしれないし。
「つー事はだ。あの化け物も高校生になったらお前みたいになるって事か?」
「袴田君、いい加減にしないと本気で怒るからね」
遥の目に本気の殺気を感じる。
これ以上言うと、本当に殺しかねないよ。
「本当は、そこにもうひとりいるはずだったらしいよ。生まれもしなかった赤ちゃんがね。美子は女の子だと思って『美紗』って名前を付けてたみたいだけど。いつも持ってるぬいぐるみにも、名前が書いてあるんだって」
遥の怒りを鎮めるために、少し話をそらそうかな……と思ったけど、あまりそうはならなかったみたいで。
「美紗……か、もしかしたらお前は美紗の……いや、何でもねえ」
遥の目を見て、変な事は言えないと感じたのだろう。
あの武司が、他人に気圧されて写真を机に戻したのだ。
珍しい光景だ。
「バカな事言ってないで、小川君を見習って調べたらどう!? ひとりで黙々と調べてるじゃない!」