そこには、さっきの男性と女性、そしてふたりの女の子がいたのだ。
「やっぱり。そっくりってほどじゃないけど、目と髪型は似てるよね。鼻は……この人の方が遥より高いかな?」
突然背後から声をかけたせいか、ビクンと身体を震わせて遥が振り返った。
「びっくりさせないでよ! 確かに髪型と目は似てるかもね。でも、それだけの人ならどこにだっているわ。私の方が美人だし」
持っていた写真を机に戻して、不機嫌そうに呟いた。
呪われた双子の母親にそっくりか。
しかもそれが、自分を苦しめている「呪い」だからいい気がしないのは当然だね。
「何だ? 誰が美人だって?」
私達の話の、美人という言葉に反応したのだろう。
武司が本棚を調べる手を止め、こちらに近づいてきた。
「何でもないわよ! さっさと続きを調べたらどうなの!?」
触れられたくない部分に触れられた遥が怒ったような声を上げるけど、武司はお構いなしに机に伏せられた写真を手に取った。
「……あの化け物かこりゃあ。母親は美人だな。おお、確かにお前に似てるかもしれねえな」