まあそうだよね。


世の中、似てるだけの人なら何人もいるわけだし。


「きったねぇ……こんな部屋で何を調べるつもりだ? 親父秘蔵のエロ本か?」


部屋に入るなり、武司が本棚のホコリをフッと吹いてみせた。


「えっとさ、魔法とか儀式とか、そんな事が書かれたような物はないかな? 皆で調べてみてよ。日記とかあればそこに書いてあるかもしれないんだけど……」


「は? 魔法だと? お前、高校生にもなってそんなもん信じてんのかよ」


「もう! 変な茶々入れないで探してよ! 重要な事なんだから!」


これだから武司は!


「赤い人」と戦って勝つなんて言ってる奴にバカにされたくないよ。


キョロキョロと部屋を見回す私の目に、机に手を突いて動かない遥の姿が映った。


早くも何か手がかりを見つけたのかな。


少し期待しながら近づいた私は、遥の背後からそっとのぞき込むように顔を出した。


遥が手にしていたのは……1枚の写真。


白黒で、ここに置かれていたであろうものだったけど。