日菜子も遥を苦手だと思ってたのは、私の勘違いなのかな。
なんて考えてる場合じゃない。
早くここを調べてしまわないと。
制服のポケットから携帯電話を取り出して、照明を棚に向けて、その一番端に向かって歩いた。
私と遥が長い棚の両端から調べて、中間で合流したけど身体は見つからなかった。
フロアに置かれている、よくわからない機械の陰も調べるけど、それらしいものは見当たらない。
日菜子はと言うと……まだ、職員室を調べている。
「香山さん、そっちは調べ終わった? まだなら手伝うけど」
フウッと溜め息を吐いた遥が、職員室に向かって歩きながらそう尋ねた。
「大丈夫、あとはこのキャビネットだけだから……」
「そう、だったらいいんだけど。私と明日香は別の部屋を調べてるから、そこが終わったら香山さんは隣の更衣室を調べてくれる?」
「うん、わかったよ」
「カラダ探し」の初日にひとりにするのはどうかと思ったけど、意外と肝がすわってるじゃない。
私が心配するまでもなかったかな。
遥とふたり、安心して工房から出ようとしたその時だった。
「ふう、終わり……え?」