二階の窓から光が射し込んで、ホコリまみれの廃屋の中が、妙に神秘的に感じられてしまう。
「思ったより不気味さは感じないわね。夜の学校よりは居心地がいいかも」
「三神、お前はやっぱり変わってんぜ。こんなボロい家、居心地がいいはずねえだろ」
武司と遥、感じ方は違う。
私は神秘的だって思ったし、捉え方は違うんだろうな。
「調べるなら早く調べて出ようよ。僕はあまりいたくないよ、こんな場所には」
小川君の感想が一番まともなんだろうな。
普通の人にしてみれば、確実に幽霊がいる場所にいたいなんて思わないだろうし。
「そうだね。えっと、確か二階の奥に父親の部屋があるって聞いた事があるんだけど」
この「カラダ探し」が始まる前、皆が私のカラダを探している時に聞いたのを思い出して、今にも崩れ落ちそうな階段を指差した。
「大丈夫かよ。小川が乗ったら壊れるんじゃねぇか?」
「ぼ、僕もそれを考えてた……」
「逆を言えば、小川君が大丈夫なら誰が乗っても大丈夫って事よ。ほら、先に行ってよ」
予想だにしなかった遥の言葉に驚いたのか、小川君は「えっ!?」と呟いて大きく目を開いた。