遥は何も話してくれないし、言ってたように時間が解決するのかな。
「何よ、人の顔をジロジロ見て。言いたい事があるなら言いなさいよ」
ジッと遥の顔を見ていた事を気づかれてしまった。
まさか、まだ日菜子と何があったのか考えていたなんて言えないし。
「あ、あのさ、明るいうちに小野山邸をもう一度調べたいんだけど……黒くて怖い人を追い払う方法がないかをさ」
「ああ? 小野山? それってあれか? 『赤い人』の家って事か?」
その言葉に、異常な反応を示した武司。
どれだけ「赤い人」と戦いたいんだろうね。
でも、そこに「赤い人」はいないんだけど。
「だから何? まさか私を連れていこうとしてるわけじゃないでしょうね?」
いや、そのまさかなんだけど……遥は嫌そうだな。
「俺は暇だから付き合ってやるぜ。もしかしたら、あの化け物とまたやれるかもしれねえからな」
いや、「赤い人」は学校に囚われているから外には出ないと思うんだけど……武司はその事を知らないのかな?
「武司は来てくれるんだね。小川君はどうする? お化け屋敷みたいな廃屋だけど……」