「残り少ないんだったら、怒る前に調べ終わりそうだけどね。袴田君が『赤い人』に見つからなきゃいいだけの話だし」
終わりは見えている。
遥でさえそう思っているんだから、本当にそうなんだろう。
私も終わりが近い事は実感するけど、終わりが近づくにつれ不安が増す。
美紀に、黒くて怖い人を追い払うって約束したけど、その方法がつかめていないのだから。
思ってるだけで追い払えたら苦労しないよね。
今まで何となく後回しにしてたけど、明るい昼のうちにどうすればいいか、その方法を調べておかなければならないかな。
美雪が目覚めて、美紀の「呪い」を解こうとする前に。
結局、武司が見つからないようにするという事と、誰に何が起ころうと自分がやるべき事だけをするという事を決めて、話は終わった。
中島君は武司と一緒にいたくないのか、話が終わるとすぐに教室に戻り、日菜子も同じように教室に戻っていった。
遥と日菜子……電話で何を話したのか、何もないなら仲直りしてるはずなのに、こんなに気まずいなんておかしいよ。
絶対に何かあるはずなのに。