私が言うのもなんだけど……可哀想な人。


誰よりも孤独で、誰よりも心の闇が深い。


「勘違いしないで。世界が壊れないなら、この世界で生きていくしかない。その時に『赤い人』が邪魔なだけよ。あなたのお友達は、美紀の『呪い』を解いて『カラダ探し』を終わらせようとしているみたいだから」


人差し指で私の額をツンと突いて、遥はそう言った。


それからしばらくして、武司が中島君の襟をつかんで強引に連れてきた。


小川君、日菜子も一緒に。


「は、放してくれよ! こんなに無理やり連れてこなくても、言ってくれれば自分で来るのに!」


まあ、こんな連れてこられ方をされたら文句のひとつも言いたくなるよね。


「んだと? 文句があんのかゴミクズ野郎が!!」


「まあまあ、袴田君。森崎さんが話があるっていうんだから、そっちを先に聞こうよ」


小川君が落ち着いた様子で武司を止めた。


「昨日」の昼にいったい何があったというのだろう。


小川君が堂々と武司と話している姿は違和感がすごいよ。


「チッ。それで話ってなんだよ? これで全員揃っただろ」


「あ、ああ……うん。『カラダ探し』の事なんだけどさ、この前からちょっとおかしな事になってるんだ」