まあ、話したくなければ無理に聞き出そうとは思わないけどさ。
遥が嘘のひとつもつかずに拒否するなんて、余程の事だろうし。
「言いたくないなら別にいいよ。それより遥はさ、美子の『呪い』を解くのを本当に手伝ってくれないの? 心の準備はできたから、あとは実行するだけなんだけどさ」
すべては「カラダ探し」が終わった後、しかも、これで本当に美子を解放できるかどうかはわからないんだけどね。
「……『赤い人』がいなくなるって言うなら、考えてもいいけど」
予想外の返事だった。
いや、少しはいける可能性が生まれたかなとは感じていたけど、最初は何が何でも協力しないって様子だったから驚いた。
「う、うん。上手くいけば『赤い人』はいなくなると思う! よかった……私ひとりでできるのか、ちょっと不安だったんだ」
私をだまして棺桶の中に入れて、私のすべてを奪おうとした遥。
憎くて憎くてたまらなかった存在なのに、その過去を知ってしまって、とてもそんな風には思えなくなってしまった。