まずい……朝からケンカが始まってしまう。


「はいはい、ふたりともストップ、ストーップ! なんでそんな事でケンカになっちゃうの? 『赤い人』と戦った事があるのは私じゃなくて高広だよ。武司、相談する相手を間違ってるよ」


ふたりの間になんとか割ってはいって、殴り合いになる寸前で止める事ができたけど……素直に話なんてしないんだろうな。


「俺でも無理だったんだ、テメェじゃ一生かかっても勝てるはずがないぜ」


「んだとコラ! 逃げ回ってただけのテメェには言われたくねぇぞ!」


どうしてこうなっちゃうかな……そもそも、「赤い人」が武司を見たら大変な事になるから、二度と戦わないでほしいんだけど。


「もう! いい加減にしてよ! ふたりで話すのが無理なら、学校で皆と話し合おうよ! 道端でケンカなんてやめてよね!」


このふたりの間に入るのはものすごくパワーがいる。


それでも何とかふたりを落ち着かせて、私達は学校へと向かった。


途中で留美子と合流して、「昨日」までの「カラダ探し」の事を話した。


ふたりは驚いた様子で話を聞いていたけど、可能性としてありえるという事は感じていたのだろう。