3人は無事なんだから。


安心しながら、「赤い人」に殺される直前に、再び振り返って東棟を見てみると……。










「えっ?」












そこに、3人の姿はなかったのだ。


何がなんだかわからない。


確かにそこにいたはずなのに……そう言えば、屋上の北側でしか黒くて怖い人に話しかけられなかった。









また……だまされたのかな。











そう思った時、私の頭部に激しい衝撃が加わった。


「赤い人」の手と、見えない壁に挟まれた私の頭部は、奇妙な音を立てて潰れてしまったのだ。


いつ死んだのか、私にはまったくわからなかった。