真っ先に開いた、教室の後ろにあるロッカー。


掃除用具が入っているそれの中に携帯電話の明かりを向ける。


やっぱりないか。


あればラッキーくらいに思っていたし、なくて当たり前みたいに思っているから、あった時の驚きがすごいんだよね。


次はゴミ箱。


中には、お菓子の袋や丸められた紙なんかが入っていて、カラダは見当たらなかった。


「カラダ探し」が始まって、まだ五日目。


前にやった時とは比べものにならないくらいに早い。


残るカラダの数は3つで、上手くいけば今日か明日には全部集められそうだ。


教室を調べ終わった私は、一応かがんで廊下に出ると、先に向こう側の教室を調べていた小川君と日菜子も廊下に出ていた。


一度「カラダ探し」をやった事がある分、私の方が調べるのは早いんだろうな。
なんて考えて、東棟にいるはずの「赤い人」に気をつけながらふたりに近づいた。


「その様子じゃ、カラダはなかったみたいだね」


私の問いに、うなずくふたり。


「三神さんはトイレだよね? まだ調べてるのかな?」


小川君が尋ねるけど、遥がそんなに遅いはずがない。


きっと、もうとっくに調べ終わって、二階に向かったんだろう。