できれば、最後の１個はホールから近い場所がいい。


だけど、保健室にあったカラダは中島君の手によって、もう納められてしまったんだよね。


「だったら私達も行こう。早く行って、皆で調べればすぐだよ」


「あ、うん。でも……森崎さんは東棟……あ、『赤い人』が現れたんだね」


西棟の階段を上りながら、そんな話をする。


小川君には聞きたい事があったんだよね。


今日の昼間に、武司と何をしていたのか。


何をしたらそんなに堂々とできるようになるのか。


聞きたいけど……どこかの部屋に入ってからにしよう。


西棟の三階の廊下。


遥と日菜子がどこにいるかはわからないけど、私は東棟から見えないようにかがんで、小川君にもかがむようにジェスチャーを送った。


「遥ー？　日菜子ー？　どこにいるのー？」


東棟までこの声が届かないとは思う。


「ここにいるわ。階段の南側の教室」


すぐそこの部屋から声が聞こえた。


小川君に「行こう」と、手で合図を送り、かがんだまま移動を開始した。