「い、いったぁ……何!?」
廊下に転がった靴を取り、何がそこにあるのか確かめようと見上げた私は……。
「も、森崎さん!? 大丈夫?」
お腹をさすって、心配そうに私を見下ろす小川君がそこにいるのだと理解した。
「お、小川君……遥と日菜子はどこに行ったの? まさかひとりだなんて言わないよね」
「ああ、うん。ふたりは先に西棟に行ってるよ。僕は生産棟の最後の部屋を調べてたから、ちょっと遅れたんだけどね」
手を伸ばして、私を引き起こしてくれる。
「そうなんだ。カラダは見つかった?」
一番知りたいのはそこなんだけどね。
真っ先に話してくれないところを見ると、どうやらそれも期待できそうにはないな。
「いや、どこにもなかったよ。三神さんが言ってたけど、もしかすると中島君が先に調べて、棺桶に納めたんじゃないかって」
その可能性もあるのか。
確かに、「昨日」中島君は棺桶の前にいた。
その時にカラダを納めていたのなら、どこでそれを見つけたのかはわからない。
でもまあ、東棟と西棟を調べれば、全部の部屋を調べた事になる。
中島君がどこでカラダを見つけていたとしても、関係ないのだ。