私達ではないという事は……まだ中に入っていないであろう、あの3人が見つかったって事?


二階で生徒玄関前が見える場所と言えば、大職員室と西と東の渡り廊下。


 「赤い人」の身長では、家政学室からはベランダが邪魔で見えないはず。


大職員室から出てきたような気配はなかったから、東側の渡り廊下だ。


危なかった……もしも私達が渡り廊下に入っていたら、見つかったのは私達だったかもしれない。


「遥、今のうちに……」


「わ、わかってるわよ! 見つからないでよ。私は巻き添えを喰らいたくないからね」


ハッと我に返った遥が、私達に背中を向けたまま、かがんで移動を始めた。


窓の下をかがんで移動するのは、私も遥も変わらないな。


そうして、渡り廊下を半分までやってきた時……外から怒鳴り声にも似た悲鳴が聞こえたのだ。









「う、うわああああっ!! く、来るんじゃねぇ!! ふぎゃっ!!」










誰かが……死んだ。


あの声は中島君だろう。


見ていなくても、どういう状況だったのかが手に取るようにわかる。


校門から戻ってきた中島君と小川君は、校舎に入るかどうか相談していたのだろう。