万にひとつの確率ででも変わってくれたら……そう思ってはいるはずだけど。
中島君が戻ってくるかもしれない。
なんて考えていたけど、武司が怖かったのか、結局戻ってはこなかった。
そのおかげで、時間をかけて倉庫を調べられたし、隣の教官室だって調べ終える事ができた。
「二階なんてよ、隠す場所はねぇだろ」
階段を上りながら、カラダを探す作業に飽きたのか、つまらなさそうに武司が呟いた。
「そうでもないと思うよ。ほら、カラダってさ、隠されてるのもあるけど、ただ置かれてるだけのやつもあるから。案外あっさりと見つかったりするんだよ」
過去には机の上に置かれてる物もあったしね。
もしかすると二階の倉庫の中に置かれてたりする可能性だってゼロではないのだ。
もう、調べる場所は少ない。
私が納める事ができなかった物を合わせても、残るカラダは3つ。
まだ東棟と西棟を調べてないから、確率を考えると体育館になくても仕方ないかな。
「無駄な作業だぜ。カラダがあるならともかくよ、ないなら切り上げて次行こうぜ」
「そう判断するためにも、早く調べようよ。まだ調べてもいないんだからさ」
適当にやればいいってもんじゃないんだよ?