もう、扉のすぐそばまでやってきている。
まだ「カラダ探し」が始まってそんなに時間が経っていないのに……早くも追い詰められてしまった。
私だけじゃなく、武司ももうダメだと判断したのか、跳び箱の陰からいつでも飛び出せるような大勢に変えて様子をみる。
そんな中で……扉がバンッと音を立てた。
ビクッと反応する私の身体。
武司は飛び出すかと思ったけど、まだ動かない。
徐々に扉が開かれて、恐ろしい空気がこの倉庫の中に流れ込んでくるよう。
いや、一気に倉庫の中の空気が変化する。
私の感覚でしかないのだろうけど、まるで冷凍庫の中にいるかのようで。
吐く息が白くなってしまって、それで見つかってしまうんじゃないかと、呼吸も止めた。
「まっかなふくになりたいな~」
ついに「赤い人」が入ってきた。
まだ……まだ武司は動かない。
私も動けない。
今動いても、入口にいる「赤い人」を回避する事ができないから。
どちらかが見つかって、しがみつかれるまでは……私も武司も身動きが取れないのだ。
「アアアアアア……」