また死ぬ気だったのか。


目の前に現れたなら仕方ないとしても、自分から探しに行くのだけは勘弁してほしい。


それに、黒くて怖い人の事もある。


私の予想が正しければ、「赤い人」が怒った時、黒くて怖い人が現れてしまう。


飽くまで予想で、そうではないかもしれないんだけど、危険は回避したいから。


「おうコラ! 明日香、テメェは俺の何だ? 命令できると思うなよ!?」


順調に以前の武司に戻りつつあるね。


うれしい事ではあるんだけど、こんな時にわがままにならないでほしいな。


「袴田君、ここは森崎さんの言う事を聞こうよ。早くカラダを見つけてさ、最後のカラダが見つかった時に再戦すればいいんじゃないかな?」


私はその言葉に驚いた。


いや、驚いたのは私だけじゃない。


遥も日菜子も、そして一番驚いていたのは中島君だった。


いつもは誰に話すにしても、怯えている感じがしたのに、今の小川君にはそれが感じられなかったから。


「気に入らねぇな。そんな保険をかけてるみたいな事はしたくねぇ。生きるか死ぬかが楽しいのによ。まあいいぜ、明日香に付き合ってやるよ」