私が考えたにしては無駄のない、まともな意見だと思うけど。


「私はそれで構わないけど。そっちは大丈夫なの? 袴田君と中島君だなんて」


遥に言われて中島君を見てみると……あからさまに嫌そうに、私に助けを求めるような表情を浮かべていた。


「大丈夫……だと思うんだけどなぁ。それが嫌だったら、中島君はひとりで西棟の屋上と、図書室辺りを調べてもらうしかないんだけど」


「お、俺、そっちでいい!」


即答だった。


だけど本当にそれでいいのかな?


「わかってる? 『赤い人』に見つかっても、今言った場所には来ないでね。遠くの方に逃げてよ? 誰も助けられないからさ」


皆でいた場合、「赤い人」に追いかけられるのは運任せになるけど、ひとりだと誰も頼れないんだから。


その事に気づいたのか、中島君の顔色がさらに変わる。


「ま、俺はどっちだっていいぜ? あのガキが出たら、今日こそぶっ殺してやる!」


「ダ、ダメだからね!? 幽霊に勝てるわけがないじゃない! そりゃあさ、『昨日』は助けてもらったけど、今日はダメ! カラダを見つける事が先なんだから」