いろんな事に慣れて、「カラダ探し」に関してはベテランだと勝手に思っていたけど、自分の身に降りかかる恐怖は慣れるもんじゃない。


ホラー映画を観て「怖いのは慣れた」なんていうクラスメイトもいるけど、その人は自分が本当に怖い目に遭っていないから言えるんだよ。


怒りの矛先が「カラダ探し」だけじゃなく、無関係なクラスメイトにも向いたところで、私は目を閉じた。


「カラダ探し」が始まるまでに、少しでも心を落ち着けようと。


だけど、この時は眠る事ができなかった。













様々な感情が私の心を支配する中、その時は訪れた。


布団の中で寝よう寝ようともがいて、結局眠れなかったのは残念だったけど、始まってしまったものは仕方がない。


冷たい地面、冷たい風。


目を開けた私は、「昨日」までとは違う穏やかなスタートに、少しばかり安心した。


中島君は起きているけど、武司に怯えておとなしいし、日菜子はまだ寝ているけど、遥はジッとそんな日菜子を見詰めている。


「日菜子! 起きて! もう時間だよ!」


私の声で、日菜子と小川君、武司も目を覚まして、全員が起きた。