お小遣いを前借りするしかないか。


携帯電話を開き、日菜子に連絡してみようかなとメール作成画面を開いた。


「遥とどんな話をしたの? 言いたくなかったら別にいいけど、仲直りしたんだよね?」


と、逃げ道も作りつつ、その内容を日菜子に送った。


返事があるまでのんびりしていよう。


今日は一日いい天気で、部屋がいい感じに温められて気持ちがいい。


ちょっとでも目を閉じてしまうと、一気に夢の世界に引きずり込まれそう。


仮にそうなったとしても、メールの着信音で目が覚めるだろう。


陽の光で、淡くカーテンの色に染まる部屋の中。


私は、フワフワした気持ちいい感覚に身を委ねて、フッと落ちるように眠りに就いた。


ここ最近、次から次へと湧いて出た悩みが、やっと解決したという安心感に包まれて。


「明日香、寝てるの? 晩ご飯よ」


「ふぇ? ……あれ? 今何時?」


部屋の照明を点けて、呆れた様子で私を見るお母さん。


携帯電話の時計を確認してみると……もう18時。