「な、何なのよそれ! 私がそんな奴を好きになるわけないでしょうが!! いたら見てみたいわ!」


やっぱり皆と一緒は楽しいな。


遥や日菜子といるのも悪くはないんだけど、どうしても話が重くなるというか。


留美子みたいなお騒がせキャラが、今回の「カラダ探し」にはいないから、場が和まないんだよね。


一度重くなったら重くなりっぱなしで、心が安まる暇がない。


だから、こうやって冗談を言ったりできる「カラダ探し」をしていた皆が羨ましくもある。


でも、そんな楽しい時間はあっと言う間に過ぎ去って、気づけば昼休みも終わり、皆教室に帰っていった。


残されたのは……武司と小川君と私。


「おいデブ。暇だからよ、俺とケンカしてみようぜ」


「えっ!? む、無理だよ! 僕が袴田君とケンカなんて!」


突然の無茶振りに、小川君の驚き方は尋常じゃない。


手と首と膝を同時に横に振り、全力で拒否している。


それにしても暇だからケンカって……いったい何を考えてるんだか。


「俺はよ、テメェを見てるとムカつくんだよ。いつもビクビクしやがって。中島なんぞにいいようにされてんじゃねぇよ」